靴のソールがボロボロになったり、剥がれてしまったりという経験はありませんか?
特に、しばらく履く機会のなかった冠婚葬祭用のシューズや、季節的にしまい込んでいたトレッキングやランニングシューズなど。
それらの原因は加水分解という経年劣化です。
加水分解とは
加水分解とは「反応物に水が反応し、分解生成物が得られる反応」のこと。
とてもわかりにくいので、噛み砕いて言うと、
「ソールに使用されているポリウレタンなどが水分と結びついてバラバラになってしまうこと」です。
素材によっては加水分解しにくいものはありますが、最終的には加水分解が起こります。
加水分解が起こるタイミングとしては、
保存状況が悪ければ、その靴が作られてから早ければ3年以上たったほどで加水分解し始めます。
保存状態が良ければ、もっと長持ちもします。
よくある話
靴屋の店員をやっていてよく聞くお話なのですが、高い靴を購入し、大切な時に履こうと購入時の靴箱に入れたのまま保管していたそうです。
「何か特別なことがあったときに履こう!」と決意していらっしゃったようでした。
しかし、その特別なタイミングのときに
長年保管していた靴箱を開いてみたら加水分解をしていてソールがボロボロになっていたそうです。
加水分解を遠ざける
加水分解を遠ざける方法はまず、湿気や水分を減らすことです。
空気中には水分があるので水分を完全に遮断することはできないのですが、意図的に軽減することはできます。
・保管環境を整える
・靴をローテーションする
保管環境を整える
・湿気を避ける・風通しの良い場所に保管する
まず湿気がたまるということは当然ですが、水分がたまることになります。
湿気がたまらないようにするには、乾燥剤を置くか、風を通して新鮮な空気を通し続けることになります。
ウッド系のシューキーパーだと水分を代わりに吸収してくれるので、こちらも有効です。
靴箱に入れて保存すること自体は悪くはないのですが、
定期的に湿気をとったり風を通したりしないと加水分解しやすい環境になってしまいます。
靴箱の素材や配置、部屋の状況によっては湿気が抜けず状況が悪化する場合もあります。
本来であれば、保管し続けるよりは実際に使用した方が良いのです。
靴をローテーションする
仕舞い続けるのもよくないのですが、履きすぎるのもよくないのです。
一日靴を履くと汗を吸うため想像以上の水分を含むことになります。
履いていない間は空気を通すことはできるのですが、夜の間だけでは足りません。
靴は少なくとも2足以上持ち、毎日ローテーションすることをおすすめします。
防臭という観点からもおすすめです。
加水分解は避けることができない経年劣化ですが、遅らせることはできます。
良い保存状態を作ることができれば、加水分解で悩むことは格段に少なくなります。
靴をしっかりお世話してあげて、大切な靴を長く履きましょう!